ピーテル・ブリューゲル(1525-1569)の作品「ベツレヘムの人口調査」

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この絵は表題がなければ、何を描いているのか全く見当がつきません。画家が住まうフランドル地方の寒村の一風景、質素な人々の日常の暮らしぶりのように思われます。しかし、実は、その見当のつかないというのが、画家の狙いであったと言われています。
なるほどクリスマスを迎えるであろう極寒の季節ではあるが、人口調査という表題に関係することと言えば、左端の集会所のような所におおぜいの人が登録のために集まっているのがみられるだけです。それは、見る者の目がうっかり見過ごしそうなところに配置されています。
しかも、中央下のやや右寄りに、ろばに乗り大きなマントで身を覆ったマリアと、その前に年老いて背中をまるめたヨセフとが描かれていて、彼ら二人に目をくれる者は画面には一人もいません。
二人が「ガリラヤの町ナザレから、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上っていった」ことはおよそ人々に気づかれない普通のことでしかなかった。その普通の風景の中に、しかし、救い主誕生の知らせを描くことによって、画家はクリスマスの出来事を迎え入れている。そう思われます。

11月27日週報4面より

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