始業講演「雅歌は知恵文学か」

久しぶりに母校の入学式に出席しました。関係者が入学したので、お祝いと、励ますためにまいりました。

恒例の始業講演が小友教授によってなされました。講演題は「雅歌は知恵文学か」。講演者は、知恵文学、ことにコヘレトの研究で知られていますが、最近は雅歌研究に取り組んでおられたようです。

コヘレト研究では、イスラエルの知恵文学、つまりオリエントのそれではなく、旧約聖書を背景とした知恵の伝統のもとで正しく読むことができることを明らかにし、日本におけるコヘレト研究の新たな展開を導いてくれたのでした。このたびの講演では、雅歌もまた旧約聖書との関連から読まれるべきことを明らかにし、知恵の特色であるマーシャールの特徴を有していること、ことに謎解き(なぞなぞ)の書として正しく読み解く道が開かれるとお話しになりました。近代の啓蒙主義的聖書学が退けてきた寓喩的解釈が、今日の聖書学では取り戻されつつあるようです。

興味深い、面白い講演でした。