聖書翻訳は難しい

日本聖書協会から新しい翻訳の聖書が出版されるようです。そのパイロット版が出ました。ほんの一部分ですが読ませてもらいました。

売れるだろうか、と言うのが私の感想です。一般の人が興味を抱くようなインパクトのある翻訳ではないし、教会の礼拝で用いられるようにも思われず、そうだとすると、キリスト教学校でも採用されにくいでしょう。

新共同訳はカトリックとの共同でした。また、旧約聖書は死海文書の発見とその研究成果が反映された定本が採用されるなど、新しさが実感されました。十分反映されたとは言えませんが、明確な翻訳理論がありました。そして、当時の日本を代表する研究者が動員され、文学者も大きく関与しました。心血注いでの作業がなされました。その苦労話を旧約学者の故左近先生から聞かされていましたから、新共同訳採用に躊躇はありませんでした。

今回も、大変な苦労があったことでしょうが、新しさという点で、また翻訳理論においても中途半端なように感じられます。口語訳聖書、また新共同訳聖書の他にどうしても必要なもう一冊ということにはならないと思います。キリスト教界全体が力を弱くしている昨今です。聖書事業に困難さが残るかもしれません。

少し重たい文章になってしまいましたが、聖書を読み、福音に関するコミュニケーションが豊かになるようにしたいものです。新しい翻訳がそのために用いられるように願います。