第2回の原稿を改めて推敲しました

Twitterでできる教会の交わり

イメージとしてのソーシャル・ビューイング

目の見えない人の絵画鑑賞、ソーシャル・ビューイングというワークショップがあるそうです。伊藤亜紗著「目の見えない人は世界をどう見ているのか」(光文社新書)に紹介されていました。実に興味深い書物ですが、この本のことはTwitterで知りました。また、著者の他の著書やそれに関連する情報、その後の研究動向についてもTwitterで知ることができています。
話を戻しますが、それはおおよそこのようです。一つの作品の前に集まります。見える人たちの中に見えない人が加わります。見える人が作品を見て説明や受けた印象などを声にして発します。色彩はどう説明されるのでしょうか。色彩だけではありません。描かれている物の形状や配置、パースペクティブなど難しそうです。工夫を要することでしょう。断片的で、抽象的でもあるそれらの声を聞いて、見えない人は頭の中に作品を思い描くのだそうです。そして、見えない人も声を発し、やりとりが続きます。そのようにして頭の中の作品は何度も描きなおされていきます。それが見えない人の絵画鑑賞ということになります。
さらに興味深いことですが、見える人も見えない人の声を聞くことによって作品に対する印象が変わったり深まったりして、その人の中でも作品が描きなおされるのだそうです。あり得ることだと思います。見える人と見えない人との相互作用がおこります。ソーシャル・ビューイング、なにやら面白そうです。

高齢者に身近なTwitter

 実は、私はご高齢の方々にタブレットを、そしてTwitterをお薦めしています。ご存知のようにTwitterはインターネットにおけるSNS(ソーシャル・ネットワーク・サーヴィス)の一つです。Facebookは知られていますがTwitterもその代表的なものです。一回140文字以内でツィート(つぶやき)をします。日々の思いや関心事を日記のように、あるいはブログのようにつづります。そして、関心を同じくする人たちと緩やかにつながることができます。
緩やかであることが特徴です。例えば、最初にご紹介した伊藤亜紗さんを私はフォローしてツィートを読ませていただいています。そして、偶にリツィートと言いますが応答のツィートをする時もあります。だからといって特別な関 わりが生じるわけではありません。興味のあるツィートは読み、そうでなければスルーします。実に緩やかなつながりです。もちろん、お互いが望めばリツイートをしあうことで会話を続けることも可能です。色々な人のツィートに出会って楽しく読ませていただいています。ことに私も高齢者の端くれとなりましたので、私よりもずっとご高齢の方々のツィートに目がとまります。老いの特権は独りでゆったりとした時間を過ごすようになることです。そこでも社会との緩やかなつながりは欠かせません。Twitterで関心事を広げて、想いに(思索に)ふける。あるいは時には外出して趣味友達と楽しむ。そのように老いの特権を楽しんでおられる、そんな様子を垣間見ることができて刺激を受けます。もちろん、インターネット上のことですから、心得ておくべき事項がありますが、このTwitterを教会の交わりに生かすことができないだろうかというのが今回のテーマです。

ソーシャル・リーディング

一つのことだけ提案させていただきます。それは聖書テキストを囲む交わりに用いるというこ とです。聖書の黙想を共にする交わりです。私はそれを、キリストに招かれた者たちの聖書を囲んで交わす会話と呼んでいます。ソーシャル・ビューイングならぬソーシャル・リーディングです。そのような集いを重ねておられる教会もありましょう。私の教会でも実施しています。選ばれている聖書テキストを輪読して、しばらく黙読します。最初の黙想です。そして、テキストに触れた手触り感を短く述べ合います。少し砕けた会話にもなるのですがテキストをめぐる会話を続けます。新しい気づきや共感や笑い、ユーモアと言えば良いでしょうか、それぞれの生活や想いがテキストに編みこまれて声となります。共同の黙想、実に楽しい交わりです。
しかし、一緒に集うことによる限界、時間の制約がありましょう。ひとりで黙想に集中する十分ないとまがありません。ところが、そのような交わりをTwitter上で行うことが出きます。模擬的にはじめています。良い点は、一箇所に集うことからくる制約がないことです。参加者は自分の都合のつく時間に聖書を読み、Twitterを開き、ツィートをして交わりに加わります。そして、他の人のツィートを読み、テキストの短い解説や関連する教理的神学的な示唆にも触れ、さらなる黙想を、ゆったりと、自分のペースで行い、リツィートします。それらのツィート(声)は並べて表示されますので、いつでも振り返ることが可能です。Twitter、ソーシャル・ネットワークを用いた聖書を囲む会話、ソーシャル・リーディングです。もちろん、インターネット上のツールはTwitterだけではありません。いくつか試してみましたが、広く使われており、誰にとっても手軽で扱いやすいのでTwitterが一番良いと思いました。教会に集うことが困難なご高齢の方も、入院中の方も、忙しい日々を過ごしている方も、外国に住んでいる方も、それぞれが時間の使い方を工夫して、自分にふさわしい仕方で教会の聖書を囲む交わりに加わることができます。取り組まれたらどうでしょうか。(つづく)